熊本市北区のファイナンシャルプランナー岩永その子です。
転勤族の知人から、ついに家を買ったことを聞きました。
彼女は、都会から地方まで転々と住まいを変えていた人ですが、
その話から私が得た気づきをシェアします。
引越し先を聞いて実は心配していた
今、彼女はとある避暑地に住んでいます。
私は、知人の結婚式でそこを訪れたことがあり、
別荘が点在するとても素敵な場所だと思っていますが、
そこに彼女が引越すことを聞いた時の私の正直な心の内は、
(観光で行くにはいいけれど、住むところではないかも…)
「公共交通機関は?病院は?スーパーは?
学校や図書館は?ごみ捨てとか大丈夫?」と、聞きたかったけれど、
決まったことだし、良かったねと言うのが精一杯でした。
賃貸アパートのご近所さんから家を買った
最近の様子などを彼女と話をする機会があり、
引越した時のアパート、そして次のアパートへ移動した後に、
今は戸建てに住んでいることを聞きました。
何回も移動する理由が私には分からなかったのですが、
彼女の話を聞くうちにだんだんと理由が分かっていきました。
住んでいるアパートのご近所さんと
町内会の行事などを通して交流が広がり、
地元の人たちに家族みんながすっかりなじんで
とても居心地が良い地域であること、
移住して良かったな~と感じている頃に、
これまたタイムリーに、「うちの家買わない?」と話があり
ありがたいご縁で今の家に住むことになったそうです。
住まいを取り巻く環境は、ばっちり分かっていますし、
何の不安もなく家を買えたそうです。
移住前後のギャップを減らす
実は、彼女のように移住の成功例ばかりではありません。
移住前の理想と、移住後の現実のギャップが大き過ぎて、
移住した後に、元の住まいの方が合っていたと後悔したけれど、
経済的な問題もあり、身動きが取れなくなったケースはあります。
移住を考えている場合は、移住前に現地に長期間滞在し、
移住先を決める方が良いと言われていますが、
それだけでは後々しっくりこないことも起こりえます。
どこにフォーカスするのかによりますが、
利便性や経済的な部分が条件に合うかどうかで
決めている場合に、後々しっくりこないことがあるようです。
地元の人たちとの関係性・コミュニティが合うかも
考えてみると、さらに安心かと思います。
人との繋がり方や関係性まで考えて判断すると、
移住の理想と現実の誤差をさらに減らせると思います。
まずは賃貸に住んでみて、相性が良いと感じた時に家を買った。
彼女の移住が成功したポイントだと思います。
引越し費用、賃貸に住む費用などは、
数十万円~百万円くらいの結構な金額にはなりますが、
住まい選びで失敗しないためには
必要な経費だったのかもしれないと思います。
わたしの住まいについて
私の場合は、ほとんど考えることなく住まいを選びましたが、
程よい利便性、程よく「都会田舎」
程よいご近所の方との関係性で、
幸いにも、満足して生活しています。
家は、若い時に買うものと親から刷り込まれていて
それが正しいと私は思い込んでいましたが、
結果的に、親の刷り込みは成功したみたいですね。
お金を無計画に使ってしまう昔の私のようなタイプには、
早い時期に、住まいにかかるお金を意識できたことは
良かったのかもしれません。
わたしの住まい選びアレコレ↓
20代、競売物件に入札、新築マンションの予約
30代、今の家を建てる
50代、熊本地震と住宅ローン返済を経験
妄想ですが、家を建てかえることがあるならば
お洒落なカラーの小さなコンテナハウスを庭に置き、
使わなくなったら、よそに引き取ってもらう
身軽なヤドカリみたいな暮らしにしたいと思っています。
住まい論争の答えは
well-being(より楽しく生きる)方を選ぶことです。
(FPとして感じる注意点を後で1つだけ書きます。)
「賃貸と持ち家どっちがいい?」
「マンションと戸建ては?」
生活者として永遠のテーマですが、
一生を通じてベストと感じる家を選ぶことは
少々難しいのではないかと、個人的には思います。
キッチン、お風呂、トイレなどの基本部分に、
リビング、寝室、子供部屋のパーツを
付けたり、外したり伸縮自在な家なら良いのですが。
一人暮らしの家、
子どもがいる家、
歳をとって過ごす家、
住む人によって、心地よい家は違ってきます。
FPとして感じている住まい選びの注意点は、
人の暮らし方や家族の形、社会は、変化する
その変化に合わせることが可能かどうか、
意識しておいて欲しいということです。
幸い彼女の住まいは、素敵なコミュニティに加え、
資産価値も落ちそうにないので、良い選択だと思っています。
住まい・暮らし方のベストは、人それぞれ違います。
住まいについて決断する前に、
未来の生活をシミュレーションして
納得感を持って暮らしていけると良いですね。
ご自身で未来の生活のシミュレーションが難しいという方は、
ご相談ください。